雨過天晴

日々独呟|2001年1月〜3月

2014.02.11

category: 憂鬱的遊戯

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昔々に管理していた詩サイト「憂鬱的遊戯」からの発掘物です。
一行詩などの短い詩です。


01.03.26.
嘘が、人の形になって
私の顔で笑うのを見た

01.03.25.
好きじゃない、愛してない、
触れたい気持ちは本音だけれど

01.03.24.
寂しいから、と誰かの肩に頬を埋めても
温かさが誰かを思い出させて
ひとつ、溜息

01.03.23.
夕方からの雨が世界をすっぽり包み込む
柔らかくかそけきその雨音で

01.03.22.
川縁に、提灯とぼんぼりの花が灯る
春の主役より一足早く

01.03.21.
周りを流れる多忙の波が
私も押し流そうとするのだけれど

01.03.20.
長く伸びた爪とか、目に入りそうな前髪とか
時の早さを教えるのはそういうこと

01.03.19.
最終電車が長い尾をひいて泳ぐ
わたしは水槽の外からぼんやり眺める

01.03.18.
あなたは知っていたのかな
このままだと還れなくなること
わたしが還りたがってないこと

01.03.17.
この電話を取らなくたって
何一つ変化なんて訪れやしない

01.03.16.
体を預け合って呼吸を貪る
ここは夜の海の底

01.03.15.
月があんまり明るいから
抱えた嘘まで透けて見えてしまうのだ

01.03.14.
戦闘終了1ヶ月記念日

01.03.13.
作るのは大変だけど
壊すのは一瞬で済むらしい
なにごとも

01.03.12.
幸せだって笑って言ったじゃないのさ
なんで隠れて泣いてるのさ
なんで

01.03.11.
手放す気もないのなら、
その笑顔が作り物でないことを信じさせて

01.03.10.
泣き喚きたくなるくらい
どうしようもなくなることなんて

01.03.09.
本当のことなんて、嘘じゃないことなんて。

01.03.08.
天気が違う、新聞が違う、言葉が違う
遠距離恋愛の破綻を感じる一瞬

01.03.07.
あなたのその無関心な瞳は
寂しいと嘆く私を無価値な物にする

01.03.06.
涙はやがて泡となって忘れられるものなのです
あなたが期待を掛けるほど、
意味あるものではないのです

01.03.05.
会いたいなんて、
詮無いことを呟くのは誰だ?

01.03.04.
罪悪感を抱えたままあなたの横にいる
あなたは殊更にわたしを甘やかす

01.03.03.
梅も咲いているのに粉雪が舞う
奇妙な寒さに傍らのあなたの腕をとる

01.03.02.
その背中を抱きしめる
額に感じる肩胛骨が拒否しないのを確かめる

01.03.01.
否定形だけで思いを伝える
何も残らないなら、それでも構わない

01.02.28.
私のしたことの酷さなんて
感情に翻弄されている間に忘れてしまった

01.02.27.
嘘と真実、どちらがいいかと聞かれたけれど
事実は小説よりも奇なり、という諺もあることだし

01.02.26.
独りよがりな幸せなのだと、
知らせずにいてくれた方がよかった

01.02.25.
あなたがいなくたって
息をすれば時は過ぎる、ただそれだけのこと

01.02.24.
雨が降るから、ずっと憂鬱の雲

01.02.23.
一途だなんて形容しないで
早く諦めろと言って欲しい

01.02.22.
奪って欲しいわけではない
守って欲しいわけでもない

01.02.21.
両腕両足切り落としてもいい
それであなたが認めてくれるなら

01.02.20.
うまくいかないなんて知っていたけど
期待した時点で私の負けだったのだろう

01.02.19.
エレベーターに乗ったまま上がり下がりを繰り返す
どこで降りたらいいのか見失ってしまえそうで

01.02.18.
水が氷になるとき
ひとは慌てて閉じこめたい思い出を投げ込む

01.02.17.
水たまりに映った青空は
いつしか氷に閉じこめられてしまった

01.02.16.
あなたの顔見てリセットボタンを押して
最初からもう一回やり直し

01.02.15.
強い北風にご注意下さいと予報士が言う
うっかりと後悔まで風に飛ばされてしまった

01.02.14.
やってみたら意外と簡単だった行為と
やってみたら意外と難しかった行為をふまえて
ひとは「やってみなきゃわからない」と言うのか

01.02.13.
夜中の台所はシンクが鈍く蛍光灯を反射して
裸足の足首を包む冷たい空気をさらに強くする
息を殺して水を飲む、この世界に私はひとりきり

01.02.12.
守られたいわけじゃないのだけど
守りたいわけでもない、そんな距離

01.02.11.
冷たいてのひらと凍えた腕で
ようやく伝えた体温を熱いと感じる

01.02.10.
生まれる感情と消える感情が同数なら
思考が飽和して泣きたくなることもないのに

01.02.09.
重たくなった荷物を投げたら
逃げるのはとても簡単で

01.02.08.
失えるものなど何も手にしていなかった

01.02.07.
消えてしまった感情を
涙に浮かべて思い出す

01.02.06.
文化なんてそんなもの
単なる思考の排泄物

01.02.05.
冬はするどく体を刺して
春の目覚めを引き起こす

01.02.04.
誰よりも近くにいてしまったから
知ってしまったことだってあったのです

01.02.03.
雪が降ったと電話をかける
天気なんて単なる口実

01.02.02.
そおっと息を吹きかけて、
その湿った暖かさに身震いをする

01.02.01.
いつだってここにいるのに
あなたはいつも知らない振りをする

01.01.31.
気付かないから事実というのです
目を逸らすから真実と呼ばれるのです

01.01.30.
住んでいる街があんまり小さく見えたので
生きていることすら冗談みたいだと思ったのです

01.01.29.
永遠は、確かにこの手のひらにあったのに

01.01.28.
恋を告げることはそう容易くはないのです
無防備な心を差し出すことなど
できようはずもなかったのです

01.01.27.
幻のような恋をしても
嫉妬や淋しさはどうしようもなく本物なのだ

01.01.26.
嘘をつくのは当然なのに
恋愛自体が嘘なのに

01.01.25.
キスのために目を閉じる
瞼の裏に、他の人の面影を描く

01.01.24.
終わってしまった恋愛に
多分に感傷的になっているのかもしれません

01.01.23.
好きだと言ってみたかった
そしてあなたの表情を見たかった

01.01.22.
冗談だよ、と明るく笑う
本気だったらいいのに、と思う

01.01.21.
心を随分シェアされてしまったので
そろそろ独占禁止法でも持ち出さなければなりません

01.01.20.
待ってるなんて言わないで
還ることを強制するようなその言葉は

01.01.19.
遠いくせになんとなく繋がっている関係ってのは
単に親密であるより慢性的で嫌な感じだ

01.01.18.
会いたいと呟く声が雨にかき消される
広いベッドで一人、寝返りを打つ

01.01.17.
言ってしまえば楽になると知っていても
どうしてもさよならと言うことが出来なかったのです

01.01.16.
好きだと告げてしまえば
諦めるのも簡単だったはずなのです

01.01.15.
あなたのことを考える
幸せだった自分に還る

01.01.14.
全ての音を飲み込んで
ただひたすらに雪は降る

01.01.13.
もう誰も好きになんてならないと
そう決心した夜だってあった

01.01.12.
この溜息は、あなたのせい

01.01.11.
その瞳が容赦なく決心を打ち砕く
好きでなんていたくないのに

01.01.10.
こんなに好きだったなんて思ってもみなかった

01.01.09.
後悔をどんどん積み重ねていって
いつか後悔することを後悔し始めるのだ

01.01.08.
一つの傷は
過去の痛みの記憶を連れてくる

01.01.07.
「たぶん」や「きっと」が多すぎて
私は立っていられない

01.01.06.
沈黙を挟んであなたは俯き視線を逸らす
そして私は言葉を探す

01.01.05.
風邪をひいたわけでもないのに
吐き出したい言葉がのどにつかえて出てこない

01.01.04.
この存在を知っていて欲しいだけ
ここにいる、立ちつくして泣いている
ただそれだけ

01.01.03.
この悲鳴があなたに届いたならば
もう何もいらない
これ以上、何もいらない

01.01.02.
見つめるだけで満足だった初恋を思い出す
今はもう、痛みも嘘も知ってしまったけれど

01.01.01.
コインの裏表で運勢を占ってみようと思ったのだが
そもそもコインの裏表は誰が決めたものだったのだろう