雨過天晴

生まれました

2011.10.01

category: こどもの話

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img from: シルエットデザイン

自分的記録です。

前日夕方
腹が下がってくる様子がないため、母に「地獄の階段20往復」を強制され、息絶え絶えで運動する。ここんとこ数日同じ運動を繰り返しているため、足になんだか筋肉が付いた様子。

妊娠40週1日。
全身の浮腫+タンパク尿+やや高血圧=妊娠高血圧症一歩手前(体重の増えすぎじゃないよ!)で「早く出そうかどうしようか」の相談をしようとしていた検診のその当日。

朝2時過ぎ
「うううっ」と声が出てしまう程度の生理痛に似た腹痛で目覚める。まさか本番(陣痛)?と間隔を計ると7分だったり15分だったり…わけがわからん。と思ってたら水みたいのがチョロっと出てきたので「まさか破水?」と病院へ電話。

朝3時過ぎ
病院にかけた電話の向こうではバタバタと大騒動…『ダンナさん連絡ついた?みえるの?』『先生呼んで!』と電話口から大声が聞こえる。体調や痛みの様子などの詳細を一切聞かれることなく「とりあえず来て!」と言われる。
母は運転下手なので、寝てる父を叩き起こして病院へ乗せていってもらう。

朝4時過ぎ
病院到着。もう間違いようがない程度に腹が痛く、陣痛は大体5分間隔。当直の助産師さんは2名、やはり電話したまさにそのときお産の最中だったらしい。ダンナさんらしき人がデジタル一眼構えて新生児室の写真撮りまくり。それを眺めつつヨロヨロとLDRへ。
LDRにはDVDを流せるテレビが付いてて「リラックスのためイルカの映像が流れます」と聞いていたが、忙しいせいか夜中のせいなのか、電源は入っておらず。好きなDVDがあれば持参してください、とのことで「ヱヴァ破でも持って行こうかしらん」と思っていたけど無駄な悩みになってしまった。
このとき子宮口4cm開大。「まだまだ時間かかるねえ~」との言葉に、まあ通常10時間くらいかかるとはいえ、ガックリきてしまう。
隣のLDRでもお産の最中らしく、助産師さんはそちらにかかりきり。母と二人、放置されたまま時間が過ぎる。母にひたすら腰を擦って貰い、深呼吸のリードまでしてもらう、という…なんだかなー、な展開。
父がダンナに電話したが、どうやら爆睡中らしく「繋がらない…」と。
まあね、目覚まし三つセットしても起きない人ですからね。
血圧が高いため、自動血圧記録装置を付けられる。数分おきにシューッと空気が入って腕を締め付けるのが痛い。
「上が150越えたら転院」とのことだったが騙し騙し乗りきる。実のところ、一時は上170下110まで上がっていたけど先生気付いてないから黙っておこう。

朝6時過ぎ
この辺から時間感覚無し。母が助産師さん捕まえて「陣痛1、2分間隔です」と喋っているのが聞こえる。痛みをひたすら深呼吸で逃す。痛い痛いと聞いていたが、正直生理痛の一番酷い時よりよっぽどマシで、まだまだ耐えられる程度。
この辺りで内診。「なんと驚くなかれ、9cm開大だよ」よっしゃ、となるも「うーん、あと2時間だね」に絶望しそうになる。ってか「まだ2時間も!?勘弁して~」と呻いた覚えが。
ダンナが到着したのがこの頃だったような。父からの大量の着信でようやく目覚め「おーいあと2時間で生まれるぞー」と言われ慌てて車飛ばしてきたらしい。前の日の晩ご飯が「白米+食べるラー油」だったそうで、手を握ってくれたり汗拭いてくれたりするのは有難いのだが息がニンニク臭くて非常によろしくない。つか、顔こっち向けるな。

朝7時過ぎ。
ワタシより進行の早かった隣のLDRからものすごい苦しそうな声。「はあーっ、ん、あー、あー、あーんっ」って感じの超大声で、聴きながら「中学生男子が聞いたら喘ぎ声に変換できそう…」と下らないことを考えていた。この頃になってようやくいきみたくなってくる。我慢できない、となったころに内診、この辺りで子宮口全開。「いきんでいいよー」ってことなんで足開いて「うーんうーん」ってやるのかと思ってたが、紙おむつみたいなの穿かされた状態で力む。力入れる度に水がダラダラ出てくるのが判って相当気持ち悪い。
「あと20分だね~」との声とともに、長靴下みたいな足用袋みたいなの履かされ、足を固定される。いよいよ、な感じ。お尻に力入れて力んで~、との声とともに力を入れる。この頃の痛みはさすがに未経験なレベル。ただ終わりがやっと見えてきたので気力は有り。
「はい力入れて~、はい深呼吸~」の繰り返し。お尻の痛さに「痔になる~!」と呻いたら「なったら後で治せばいいの!」と力強い(?)お言葉。ひょいっと扉から顔出した医師に「会陰切開するよ」と言われ「嫌です!」とキッパリ抵抗するも、これは受け入れられず。鈍痛の中でも麻酔のチクッがかなり痛い。

さ、まだまだ力むぜい、と気を取り直した途端に「はい胸の前で腕組んでー、力抜いて息短くしてー」と声を掛けられる。「え、もう終わり?」と目を白黒させている間に、聞き慣れた音楽が聞こえてくる。
「慟哭へのモノローグ」あ、…携帯の目覚ましアラームだ…。
医師も助産師さんもダンナも「こんなBGM掛けてたっけ?」と首を捻る中、出た、ズルズルっと…。

朝8時丁度
パチンコヱヴァ大当たり曲と共に3196g、女児誕生。
かわいいー、とか感動ー、よりホカホカっって感じの生暖かさと、臍帯の想像以上の太さに驚いた。
ちなみに首周りにグルグル臍帯巻き付いてた。無事出てよかったよ。
腹をグイグイ押され胎盤を出される。ズルズル出てきた物のあまりの大きさに「うわっなんか出た!」と驚いてたら「見る?」と有難い言葉。足おっぴろげて固定された姿勢のまま首だけ起こして見せて貰ったよ、胎盤…。デカイ。想像以上にグロテスク…。良い物見た。
そして後処置でチクチク縫われる間の痛いこと痛いこと…。
これまでの痛みとは異質の鋭い痛みだから、辛いんだよ…。
………
8時丁度に生まれたから「あずさ」にしようとか、ヱヴァ曲と共に生まれたから「レイ」か「ユイ」にしようぜ!とか色々案は出たけど全てダンナにより却下された。残念。